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2009.07.25

イタリアは一度行ってみたいです

塩野七生の「海の都の物語」をようやく読み終わりました。(文庫で6巻)
昭和50年代の本で、やや古いですが、もっと古い時代の事が書いてあるので古さは気になりません。
ちなみに、ローマ人の物語は初代皇帝即位後くらいまでは読んでます。今は文庫で出てるみたいですが、後半も読みたい所。

ヴェネチアは地中海貿易で栄え、その後は地中海が貿易の中心でなくなると織物等の工業で栄え、最終的には農業で国を持たせていたものの政治を担当していた貴族に貧富の格差が広がって、腐敗して滅んだ都市国家です。この本読むまでは地中海貿易で栄えた&中世ヨーロッパの中ではダントツに言論の自由があった海上の国、という事くらいしか知りませんでしたが。
もちろんヴェネチアいかにして栄えたかや、4巻あたりの中世の旅行記もおもしろいですが、栄枯盛衰の最後の部分、ナポレオンに占領されて国が解体してしまう部分がやはり一番示唆に富んでいるのではないかな、という気がします。
ヴェネチアは海運国家であったこともあって海軍はある程度の力を最後まで残していたようですが、陸軍は人口も少ない事もあって伝統的に用傭兵頼みで、地中海の拠点防衛用以外はイタリア本土に領土を保持するようになってからもほぼ非武装中立国状態にあったようです。ここで、非武装中立であれば中立を貫き通す事ができるのかといえば、結局武装した国家に通行許可を求められたり、物資の提供を求められると組織的抵抗もできずに押し切られてしまう事になって、最後はナポレオン軍対オーストリアの基地と戦場にイタリア本土が使われてしまう事になったのでした。最終的には首都防衛用の軍備を急いだもののナポレオンに宣戦布告され、議会で無抵抗降伏を決定、占領される事となってしまう、という運命になるのです。そしてヴェネチアの宝の一部は今でもフランスで見る事ができるようです。
時代が違えば貴族は先頭に立って、共和国存亡を賭けてヴェネチア防衛戦をしたのかもしれませんが、長きに渡って陸上用の防衛軍備を持たずに政治だけで平和を維持してきた事と、もはや農業が主力産業になった時代では首都ヴェネチアのみでは生きていく望みを持てなかった、という事でしょうか。
結局、最後は対抗できるだけの力がないと自由を維持する事はできそうにないな、という感じです。


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